足関節捻挫(足首捻挫、足関節の靭帯損傷)

足関節には関節包と靭帯という組織があり、関節包は足首の関節を袋状に包み込んでいます。靭帯とは足首の関節を作る骨同士が動いても外れないようにしっかりと支えているバンドのような組織です。
足関節捻挫では足首を強く内側に捻ったり、外側に捻ったりすることで関節包や靭帯が伸ばされ、部分的に断裂することによって痛みを引き起こします。

足関節の靭帯

足関節の捻挫による靭帯損傷は湿布・冷やすだけでは完治しません!

様々なスポーツ競技で足関節捻挫による靭帯損傷は発生しやすい疾患です。ほとんどの場合が、痛めた直後にアイシングを行うことが主流です。しかし、アイシングのみでは靭帯損傷の根本治療にはなりません。靭帯の治療は非常に重要で、適切な治療を行わなければ、靭帯の柔軟性が低下した「靭帯の拘縮」となり、関節可動域の制限を生じることとなります。
確かにアイシングを行うことによって、痛みや腫れはおさまってきますが、アイシングの処置のみでスポーツに復帰すると、その後何度も捻挫を繰り返す「陳旧性足関節外側靭帯損傷(ちんきゅうせいそっかんせつがいそくじんたいそんしょう)」や「変形性足関節症(へんけいせいそっかんせつしょう)」を引き起こす可能性が高くなります。
また、足関節捻挫では、靭帯の損傷に合わせて関節のズレ(距骨亜脱臼)が生じます。このズレが原因となり、痛みはないのに損傷前と比較して競技パフォーマンスの低下を招くことがあります。そして、足関節の底背屈が制限されることにより正座やしゃがみ動作なども困難となります。「足首をひねった」と軽くみられがちな捻挫ですが「スポーツをこれから長く続けたい」「競技パフォーマンスをもっと上げたい」という方は受傷初期から適切な治療をすることが必要不可欠になります。

靭帯の拘縮を生じた足関節の可動域

原因

足関節捻挫は様々なスポーツ時に起こります。一番原因として多いのがジャンプした際に着地時に足関節を捻ってしまい発生します。さらに体重が、捻った足関節にかかってしまうと、関節を支える靭帯にかかる負荷も増すため、捻挫の重症度も高くなります。捻る向きにより、内反捻挫(ないはんねんざ)、外反捻挫(がいはんねんざ)に分類されますが、発生頻度は、内反捻挫のほうが多い傾向にあります。

特長と症状
● 急性捻挫
  (靭帯の損傷程度によって捻挫の程度が3段階に分けられます)
  • 1度靭帯の軽度損傷で軽度の圧痛、歩行時に若干の痛みがある
  • 2度靭帯の部分断裂で圧痛、腫れが強く、歩行は痛みで困難である
  • 3度靭帯の完全断裂。腫れは非常に強く、
    安静にしてても痛みがあり、歩行はほとんど不可能である
● 慢性捻挫(陳急性足関節外側靭帯損傷)
  • 捻挫をしてから年単位が経過しているが足関節に痛みがある
  • 過去に捻挫した側の足がまた痛くなった
  • でこぼこ道を歩くと足首が不安定な感じがする

上記のような症状がおこる方は、慢性捻挫(陳急性足関節外側靭帯損傷)を起こしている可能性があります。急性捻挫の治療を適切に行わず、「靭帯の拘縮」や「関節のズレ」が残った状態で日々の生活を続けていると慢性捻挫へと移行していきます。

足関節捻挫の特長と症状
足関節捻挫の特長と症状

当院での治療
● 急性捻挫

超音波を用いて靭帯損傷部の炎症を取り除いていき、鎮痛効果にあわせて組織修復力も高めていきます。(痛みが強い場合は鍼も非常に有効です。)「靭帯の拘縮」の予防としては超音波が非常に有効で、靭帯の柔軟性を失う事なく靭帯組織の修復を行うことができます。治療後に、足関節(距骨)のズレを整復しバンデージで固定を行います。部分断裂の場合、1〜3回の治療でも痛みが大分楽になり、早期に加重をかけることができます。

● 慢性捻挫(陳急性足関節外側靭帯損傷)

超音波治療器を用いて、拘縮を起こした靭帯に柔軟性を出していきます。
年単位で慢性化したものでも、治療音波治療を行うことにより、拘縮によって引き起こされた足関節の可動域制限や運動痛も早期に改善します。
また、足関節(距骨)のズレが存在している場合は整復も行います。