鼠径部痛症候群(グロインペイン症候群、股関節の痛み)

鼠径部痛症候群(グロインペイン症候群)とは股関節・骨盤・恥骨・鼠径部における障害の総称です。陸上競技やサッカーなど、走ることが多いスポーツ選手が「股関節が痛い」「下腹部が痛い」と訴える場合に、多くがこの疾患です。有名な中田英寿選手・ジダン選手なども悩まされたことで有名な疾患です。

原因

主に走る動作による股関節の曲げ伸ばしの連続により、腸腰筋と鼠径靭帯が擦れて炎症をおこし、腸腰筋の炎症による運動痛により関節の可動域制限が生じます。

鼠径部痛症候群の原因

特長と症状

腸腰筋以外にもグロインペイン症候群の原因は存在する事があり、障害されている筋肉、関節によって痛みの発生パターンや場所が変わってきます。

  • キック動作、ランニング時に痛みが走る→腸腰筋(大腰筋、腸骨筋)に障害がある。
  • 横方向への移動時、方向転換時(身体を捻る際)に痛みが出る→内転筋群に障害がある。

※上記の症状が出現する前に腰痛、臀部痛がある場合は、腰椎・仙腸関節(骨盤)に問題があり、股関節部の筋肉の障害を二時的に発生させている場合があります。

鼠径部痛症候群の特長と症状

当院での治療
治療の様子

痛みの出現する場所も多々あることから、複雑な病態でありそうな疾患ですが、何人ものスポーツによる股関節痛を診てきた私個人としては「腸腰筋の機能障害」が単純に痛みを発現させている根本的原因ではないかと考えています。
まれに、内転筋なども原因であることもありますが、当院に来院される患者様のほとんどが、腸腰筋が原因として占める割合がほとんどです。

腸腰筋の治療においては「鍼治療」が最も適した方法と考えており、当院では、深部にある腸腰筋に対して的確に刺鍼することが出来ます。グロインペイン症候群に対する鍼治療の有効性は非常に高いものであり、ほとんどの方が2~5回の治療で、痛みが消失される方がほとんどです。一般的に医療機関で指導される運動の休養よりも、鍼治療は最善の方法であると考えます。